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NYで築109年の家が50億円で売れた! 億ション売れまくるNY住宅市場の狂乱 [海外ニュース]

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まるで新手の不動産展示場のようだ。

空中庭園の両脇には雨後の竹の子のごとく高級アパートメントが次々と建設されている。ニューヨーク・マンハッタン中西部に位置するハイライン。かつて鉄道が走っていた高架線は長らく廃墟と化していたが、2009年に全1.45マイル(2.32キロメートル)空中緑道公園として再開発され、オープンした。

マンハッタン中西部は最寄りの地下鉄駅からのアクセスも悪く、開発が遅れてきたが、ハイラインの誕生で周辺事情は一変。今やマンハッタン随一のホットな地域となり、ニューヨーク・タイムズ紙によると、同地域の不動産価値は2003年~2011年で約2倍に膨らんだ。

世界中のマネーや人が集まるニューヨーク。金融危機以降、不動産価格は低迷し、新規案件の開発や売買などは凍結されてきたが、近年は再び市場が活性化し始めている。実際、多くの不動産関係者は「市場動向はリーマンショック前の水準に戻ってきた」と口をそろえる。

中でも需要が膨らんでいるのが高級分譲物件だ。米不動産大手コルコランによると、マンハッタンの住居用不動産の平均半版価格は今年(2014年)4~6月期に169万ドル(約1億7700万円)と、前年同期比2割以上上昇した。近年の資産高により、株や不動産など金融資産保有者がますます資産を蓄積する、という経済状況にあって、所得上位1%とも0.1%とも言われる超富裕層による消費意欲が旺盛なことが背景にある。

実際に人気の高い物件は続きからどうぞ!(緑のボタン)


■ベッドルームから摩天楼一望

今、もっとも話題になっている高級コンドミニアム(マンション)と言えば、マンハッタン西57丁目にある「One57」だろう。90階建ての92室で広さは94~1259平方メートル。価格はもっとも高いペントハウスで9000万ドル(約95億円)に上る。すでに7割が売れている状態で、ファッションブランド、マイケル・コースの大株主ローレンス・ストロール氏や、同ブランドの新規株式公開(IPO)で巨万の富を得た香港人のサイラス・チョウ氏などの名前が購入者としてあがっている。販売担当者によると、米国人と「外国人」の購入比率はほぼ半々という。

そのうちの一室を訪ねた。リビングルームからはセントラルパークが一望できるだけなく、30畳近くはあろうかというベッドルームは、天井以外は全面ガラス張り。アップタウンからダウンタウンまで大迫力の摩天楼が目に飛び込んでくる。この一部屋だけでも、十分パーティルームとして使えるほどの豪奢さである。

ニューヨーク随一の高層コンドであるOne57の自慢は眺望だけではない。コンドの低層部分にはパークハイアットホテルが入居しており、居住者はハイアットのプールやスパなどを自由に利用できるだけでなく、ホテルが提供している清掃サービスや、一流シェフが料理長を務める高級レストランからデリバリーを頼むこともできるのだ。

こうしたホテル一体型、もしくはコンシェルジュ型サービスが受けられるコンドミニアムはニューヨークで人気を集めつつある

。One57から徒歩10分程度の西53丁目で目下、急ピッチで建設が進むのは、クリスタルメーカー「バカラ」が12月にオープンする予定のホテル一体型コンドだ。同コンドは46階建ての61室。もっとも高いペントハウスの価格は6000万ドル(約63億円)。バカラをふんだんに使ったシャンデリアや高級大理石で作ったバスルームなど豪華な内装もさることながら、One57同様、ホテルの高級アメニティやコンシェルジュサービスを利用できるのが売りだ。

同ビルの販売を担当するラリー・クルイスマン氏によると、「金融危機から景気が回復する中で、富裕層の要求はかつてないほど高まっている」。こちらもすでに7割以上が売れているという。


■築109年の一戸建てが約50億円

高級住宅地としても名高いパーク街の64丁目では、6階建ての「一戸建て」が売りに出ており、注目を集めている。外から見た佇まいはさながらちょっとした美術館のよう。1万4000平方フィート(約4260平方メートル)の同邸宅は1905年に有名建築家によって建築された。

6階まで吹き抜けになっている周りに、らせん階段が絡ます姿は、「風と共に去りぬ」など往年の映画にでも出てきそうなクラシックな作りだ。これまでイタリアのファッションブランドがオフィスとして利用していたが、今回売りに出されており、価格は4800万ドル(約50億円)。賃貸の場合は月9万ドル(約945万円)だ。

販売を手掛けるブラウン・ハリス・スティーブンズのポーラ・ヌンツィオ氏はいう。「マンハッタンは小さな島で土地が限られている一方、世界中から不動産の買い手が集まってくる。

しかも、ニューヨークの場合、ほとんどが賃貸物件で売買用物件は全体の約35%、数でいうと14000件程度しかない。そのほとんどがマンションでこうした一戸建ては非常に珍しいだけに人気が高い」。

一方、富裕層の「交通手段」として人気の高いプライベートジェットの需要も上向いてきている。資産家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ傘下のネットジェッツでは、需要がピークに達した07年レベルまでに戻ってきていることもあって、目下176億ドルを投じて航空機の新規購入(最大670機の購入を予定)を急いでいる。

同社の場合、自らが1台保有するだけでなく、特定の航空機を部分保有したり、飛行時間に応じた乗り放題カード(最も安くて25時間で14万ドル=約1470万円)を利用したりもできる。「多くの企業が世界へ事業を拡大させている中で、われわれの利用者である企業幹部の多くは数日内にニューヨーク、ロンドン、香港といった距離を移動しなければならない。利用者の多くはネットジェッツのフレキシビリティに価値を見出している」(同社広報)。


■不動産高騰で既存住民への嫌がらせが多発

ニューヨークではマイケル・ブルームバーグ前市長の就任時に街を「高級化(Gentrification)」する計画が進んだ。これにより、街の清掃が徹底され、警察が増えたことで治安が良くなったことで街の「価値」自体は向上した。が、街の高級化によって分譲、賃貸不動産価格が高騰した結果、既存住民が住居を追われる例も増えている。

たとえば、あるアパートメントでは、“市場価格”で入居してきた新規住民とは別に、レントコントロール(毎年家賃を一定以上値上げしない規制)で住んでいる既存住民用に通称「貧者のドア」と呼ばれる入り口を作ったり、立ち退きに応じない住民の住居部分をのぞいてリノベーションを行ったりという嫌がらせをする例もある。中にはアパートメントの大家が既存住民の家のカギを勝手に変えるといったケースもあるようだ。ニューヨークの不動産事情に詳しいある地元新聞記者によると、「こうした嫌がらせや立ち退きをめぐって、街中で訴訟が起きている状態」という。

世界中から富や人が集まるニューヨークはまた、「持つ者」と「持たざる者」の格差が大きい街としても知られてきた。が、今やその格差は超富裕層と一般的な中間層の差になっているのである。

週刊東洋経済2014年11月1日号(10月27日発売)の特集は「アメリカ 分裂する大国」です。オバマ大統領誕生の熱狂から6年。再び岐路に立つ米国。国中から聞こえる不協和音を奏でながら「強いアメリカ」はどこへ向かうのか。全60ページで取り上げました。
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