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チューインガム離れ、スマホが需要奪う!? 製菓会社の憂鬱 [スマホ]

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 若年層のチューインガム離れが進み、ガムの需要全体が縮小の一途をたどっている。

 国内販売額は平成25年まで9年連続で前年を割り込み、ピークだった16年の1881億円と比べて3分の2に減少。危機感を募らせた製菓各社は、新商品の投入やヒット商品のリニューアルだけでなく、ガムに親しみをもってもらうための啓発活動にも取り組んでいる。ただ、需要を奪ったのはスマートフォンだという想定外の調査結果もあり、需要の底上げには従来にはない新機軸の対策を迫られている。

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 「当社のガムでは原点といえる看板商品だけに、開発には力を入れ、おいしさとミントの爽やかさを追求した」

 国内で推定50%程度のシェアを握るガム最大手のロッテは、新「グリーンガム」(想定小売価格は税抜き96円前後)を4月下旬に投入。河合克美常務は直前の発表会で、昭和32年の発売以来57年ぶりとなる大幅な刷新により、強化を図った商品力をアピールした。

 新商品は、花が咲く前に最初に刈り取った「初摘みミント」を使って品質を高め、ミントの香りを引き立たせたのが特徴で、主なターゲットは30~50代の男女。味のバランスも考慮してシュガーレスとし、板ガムだけでなく粒ガムもラインアップに加えた。「菓子の原点といえる『おいしさ』に立ち返った」(広報室)という自信作だけに、旧商品と比べた売れ行きは2桁の伸びを維持し、好調だ。

■国内販売額9年連続マイナス

 シュガーレスの「トライデント」や「クロレッツ」、特定保健用食品の「リカルデント」などのガムを展開し、日本で推定30%弱のシェアを握る米食品大手傘下のモンデリーズ・ジャパンは6月末、18~34歳の男女がターゲットの「ストライド」(オープン価格)を刷新した。

 川鍋洋治取締役は「ガムを口から出す行為で集中力が妨げられないように、ユーザーは味の長続きを求めていると分かったので『集中力持続』に向け、かみ始めのインパクトと清涼感の持続を強化した」と話す。

 日本チューインガム協会によると、フルーツ系の商品を買う若年層が減ったこともあり、25年のチューインガムの国内販売額は前年比7.9%減の1220億円に落ち込んだ。

 調査会社の矢野経済研究所は「単価の高いボトル入りタイプが全体的に不振。食べきれるグミや錠剤型(タブレット)の菓子が好まれる一方、かんだ後にごみとなるガムが若年層を中心に敬遠されている」(大篭(おおごもり)麻奈研究員)と分析。モンデリーズの川鍋氏は「ガムは平日に働きながら味わう人が多い傾向にあり、労働者人口の減少が響いた」と指摘する。

■気分転換の効果や機能性アピール

 一方、ロッテの独自調査によると、スマホ利用者の急増がガムの購入減につながっているという意外な結果が出た。「スマホのゲームやメールなどに集中するあまり、それまで電車の中でガムを楽しんでいた人の購入量が減った」(広報室)。通勤・通学時はガムを味わう典型的な場面の一つだけに、スマホの影響は小さくないという。このためロッテは、アプリ(応用ソフト)に連動した特典を用意するなど、スマホ利用者の取り込みに乗り出した。

 ガム離れを食い止めようと、市場全体の底上げを図る取り組みも活発化している。

 モンデリーズはキャンペーンソングの動画配信などの「ガムならハカどーる」プロジェクトを展開し、ガムがもたらす気分転換の効果をアピール。ロッテもガムの情報を集めたウェブサイトを立ち上げ、若年層の関心を高めようと知恵を絞っている。

 ロッテは今秋と来春、若年層をターゲットにした新商品の投入を計画。明治は口臭防止効果、グリコは初期の虫歯対策といった機能性を前面に出した商品の拡販を図る構えだ。ただ、ガム離れは嗜好(しこう)の多様化を背景に「先進国が共通して直面する問題」(モンデリーズの川鍋氏)だけに、需要回復は容易ではない。

 矢野経済研の大篭氏は「かんだ後、ごみ箱にすぐに捨てられるオフィスでの需要開拓が欠かせない」と指摘している。(村山雅弥)
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